新年度に臨む私の所信及び町政運営に関する基本方針を述べさせていただき、町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
昨年アメリカに端を発した、経済金融危機が世界規模での不況へと発展する中、急激な円高の進行や株価の大幅下落が我が国の経済にも大きく影響を及ぼしております。
こうした中、平成21年度政府予算案を見ますと、世界的な経済金融危機にあって、国民生活と日本経済を守るための政策を実行することとし、景気回復を最優先とする姿勢を示しております。予算規模を示す一般会計総額は、前年度当初と比較して6.6%増となり過去最大となっています。とりわけ政策的経費であります一般歳出は、基礎年金の国庫負担割合引上げや経済緊急対応予備費等を盛り込んだことから51兆7,310億円となり、伸び率は平成元年度以降最大となっています。しかしながら、景気悪化による企業業績の低迷などから税収は前年度に比べ7兆4,510億円の落込みが見込まれ、歳入に占める国債依存度は前年度を上回ることとなり、平成21年度末現在の国債発行残高は約581兆円に達すると見込まれております。
本町の財政状況は、町税や地方交付税等の一般財源が減少を続けている状況下で、行財政改革の着実な実行による歳出削減や財源確保を行い、基金の取崩しを最小限に抑えてまいりましたが、本格化した地方債の償還や社会保障関係経費の増大、特別会計への繰出金の増加など、財政構造の硬直化が一層進んでいることから、この厳しい状況が続くことを前提とした行財政運営を行う必要があります。
平成21年度予算編成は、経済情勢、地方財政計画等を踏まえ、住民が安心、安全に暮らせるまちづくりを第一に考え、財政の健全化と町の活性化に資する施策を進めていく一方、一層の徹底した見直しによる歳出の削減に努めるとともに、歳入面ではあらゆる財源確保策を講じ、安定的で持続可能な行財政運営の確立に向けて「歳入に見合った歳出」が予算編成の基本であることを全職員が認識し、必要なサービスの維持と効率化に努めることといたしました。
このような基本方針をもとに編成いたしました新年度予算は、一般会計が35億円と昨年の予算34億4千万円に比べ、6千万円の増額予算となりました。また、特別会計におきましては、4月より公共用地先行取得事業特別会計が廃止されることから、6つの特別会計をあわせて24億1,828万2千円となりました。
一般会計と特別会計をあわせた予算の総額は、59億1,828万2千円と、昨年の予算57億942万2千円に比べ、2億886万円の増額となっております。水道事業会計予算につきましては、損益勘定では、収入が5億2,747万7千円、支出が5億2,530万8千円、資本勘定では、収入が7千665万円、支出が3億471万3千円とそれぞれ減額となっております。
以上のように編成させていただきました当初予算でありますが、限られた財源を最大限有効に活用し、時代背景に即した財政需要に的確に応えていくべく、重点施策については、第4次総合振興計画の将来都市像「人がきらめくまち五霞」の実現に向け、次の6つの事項を基本といたしました。
1.緑豊かな美しい基盤づくり
- 圏央道IC周辺整備の推進
- 公共下水道の整備
- 環境浄化センター施設改修
- 大福田水処理センターの施設改修
- 道路改良及び維持補修工事の計画的な整備
- 堤防強化対策事業の促進
2.安全で快適な環境づくり
- 広域行政の推進
- 防災体制の充実
- 児童生徒の安全確保
- 地球温暖化問題への取り組み
3.すこやかで安らぎのある暮らしづくり
- 子育て支援の推進
- 3人っこ家庭応援事業
- 延長保育事業
- 地域子育て支援拠点事業
- 妊産婦健診の公費負担受診回数の拡充
- 特定検診、特定保健指導の充実
4.個性の輝く心豊かな人づくり
- 学校教育での学力向上対策
- 教育委員会へ県派遣指導主事の設置
- 町史編さん事業
5.活力のある地域産業の振興
- 地盤沈下対策事業
- 病害虫防除対策事業
- 生産調整推進事業
- エコ農業茨城推進事業
- 「道の駅ごか」を活用した農業の振興と活性化
- 雇用促進対策
6.ふれあいと住民参加のまちづくり
- 第5次総合計画の策定
- 定住化促進事業
- 少子化対策
- 協働のまちづくりの推進
以上、これら諸施策の執行にあたりましては職員ともども全力で取り組んでまいる所存であります。まちづくりのキーワード「絆」を大切に「人がきらめくまち五霞」の実現に向け、町民の皆様のご支援、ご協力をお願い申し上げます。