施政方針(平成25年度)

新年度に臨む私の所信及び町政運営に関する基本方針を申し述べさせていただき,町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

昨年は,アメリカ,ロシアなど世界の主要国において,指導者を決める選挙が行われたことから,スーパーイヤーと称され,まさに,国際的な政治選択の年でありました。また,我が国におきましても,第46回衆議院議員総選挙において政権が交代し,民主党政権から自民党と公明党による連立政権となり,安倍内閣が誕生したところであります。
一昨年3月11日に発生した東日本大震災から,間もなく2年が経過しようとしております。被災地では,復旧復興に向けた取組みが進められているものの,未だ,応急仮設住宅での生活が続いているなど,震災前の生活を取り戻すまでには至っておりません。被災者の方々が,一日も早く,元の生活を取り戻され,安全で安心して日々の暮らしが送れますよう,せつに願うとともに,新政権には,これまで以上に,国を挙げて,復興支援への取組みを強化していく必要があると考えております。
本町といたしましても,災害に強いまちづくりの推進に向け,自分たちのまちは自分たちで守るという自助への取組みと,互いに助け合う連携の視点からの被災地への支援,周辺自治体及び関係団体との災害協定の締結等について,今後も進めていきたいと考えております。
また,地域社会の繋がりは,防災面だけの自助,共助,公助の観点だけではなく,福祉や子育て支援,青少年の健全育成,防犯などさまざまな分野にも影響を及ぼすものと捉えております。今日,生活形態の変化や価値観が多様化するなか,人々の評価基準もそれぞれ異なり,複雑な世の中になっております。情報通信技術の発達により,誰もが欲しい情報を簡単に入手でき,発信できるようになりましたが,その半面,人と人とが直接向き合う機会が減少しており,あらためて,地域コミュニティの醸成とともに,社会の絆,地域の絆の大切さを認識し,地域の力を高めていくことが重要であると考えております。

さて,我が国の経済は,東日本大震災からの復興需要や政策効果の発現等により,経済面の一部で,回復に向けた動きが見られるものの,財政健全化や医療,介護,年金といった社会保障制度の再編など,極めて重要な課題の先行きが見えないことや,若年層雇用の縮小などにより,社会全体に慢性的な閉塞感が広がっております。景気回復や雇用状況の改善は,基礎自治体レベルで対応することは困難ですが,関係機関と連携し,実施可能な対策を推進して行きたいと考えております。

こうした中,国の平成25年度政府予算案を見ますと,緊急経済対策に基づく24年度補正予算と一体的なものとして,「15ヶ月予算」として編成する一方,財政健全化目標を見据えた中身とし,補正予算と同様に「復興・防災対策」「成長による富の創出」「暮らしの安心・地域活性化」に重点を置き,日本経済再生に向けて,全力で取組むことを基本方針として編成されております。予算規模を示す一般会計総額は,92兆6,115億円,社会保障関係費も29兆1,224億円と,当初予算では,前年度を上回る編成となる一方,税収43兆960億円に対し,新規国債の発行額は,42兆8,510億円と,過去3年間続いた国債が税収を上回るという姿を脱し,国債依存度は46.3%と前年度より1.3ポイントの減となっております。

また,厳しい経済情勢の下,平成25年度の地方財政の見通しとしては,地方税収入や地方交付税の原資となる国税収入が緩やかに回復することが見込まれる一方,社会保障関係経費の自然増,公債費が高い水準で推移することなどにより,依然として大幅な財源不足が生じるものと見込まれております。このため,「15ヶ月予算」の考え方に即して,地方が安定的に財政運営を行うことができるよう,補正予算に伴う適切な措置を講じるとともに,地方交付税等の一般財源総額について,前年度と実質的に同水準となるよう確保することを基本として対応を行なうこととされたところです。

県の予算案に眼を向けますと,東日本大震災からの早期復旧に引き続き取組むとともに,復興を成し遂げ,再び発展の軌道に乗せることとあわせて,防災体制の充実強化を図り,災害に強い県土づくりを進めるため必要な事業などを重点施策のポイントとして,前年度当初と比較して2.7%減の1兆784億6,500万円となっております。厳しさを増す地域間競争のなかにおいて,雇用の場の確保が何よりも重要であることから,正規雇用化を推進する研修・雇用一体型事業などに引き続き重点的に取組み,雇用の場を確保するとともに,中小企業の資金繰り支援や,公共事業など投資的事業の確保に努めること,また,県民一人ひとりが,質の高い生活環境のもとで,安全,安心,快適に暮らすことができる生活大県づくりとして,「住みよいいばらきづくり」「人が輝くいばらきづくり」「活力あるいばらきづくり」の3つのポイントの着実な推進,財政健全化に向けた積極的な取組みを推進することなどを柱とした予算編成となっております。

本町の財政状況は,町税等の一般財源の減少傾向が見込まれるなか,社会保障関係経費の増大,公共施設の老朽化・耐震化等に伴う大規模修繕,さらに,圏央道インターチェンジ周辺開発など,町の発展に寄与する将来的な財政需要を考慮すると,今後も,更に厳しい財政運営が続くと予想されます。
しかしながら,こうした状況の下でありますが,平成25年度の予算編成は,第5次五霞町総合計画の将来像「人がきらめき だれもが安心・安全に 暮らせるまち 五霞」の着実な実現に向け,将来に向けた重点プロジェクトを力強く実行するとともに,町民の皆様の思いに応えるため,住民の安心・安全の確保に向けた施策を重点的に進め,将来にわたって活力あふれるまちづくりに引き続き取組んでいくことといたしました。

このような方針のもとに編成いたしました新年度予算は,一般会計が39億3,000万円と昨年の予算38億1,400万円に比べ,1億1,600万円,3.0%の増額となりました。また,特別会計におきましては,5つの特別会計をあわせて25億2,950万円となっております。
一般会計と特別会計をあわせた予算の総額は,64億5,950万円と,昨年の予算61億6,200万円に比べ,2億9,750万円,4.8%の増額となっており,水道事業会計予算につきましては,収益勘定では,収入が4億1,787万円,支出が4億1,747万8千円,資本勘定では,収入が1億1,380万円,支出が3億4,882万9千円となっております。

また,限られた財源を最大限有効に活用し,時代に即した財政需要に的確に対応するため,第5次五霞町総合計画に沿って,次の6つの事項を基本としております。

第1点目 「豊かな自然と安全を育む」-環境・防災・防犯-

環境の分野では,地球温暖化防止やエネルギー自給率向上のため,引き続き,太陽光発電システムを設置した新規の個人住宅への補助を行うほか,防犯灯について,LED電球への切り替えを新たに進め,消費電力の抑制を図ります。
防災の分野では,東日本大震災を踏まえ,防災無線を受信する防災ラジオを新たに配置し,町と災害時要援護者及び支援者等との情報の伝達,収集などの連絡体制の強化を図ります。また,指定避難所の機能を拡充するため,災害用備蓄品を購入するほか,引き続き,県と連携し放射線量率等の測定結果を公開していくなど防災体制の充実に努めます。
防犯の分野では,児童生徒の安全確保に努めるとともに,関係機関と連携しながら,引き続き,下校時の防犯パトロールを実施してまいります。

第2点目 「健やかと安らぎを育む」-健康・子育て・福祉-

健康の分野では,生活習慣病を未然に防止するため,特定健康診査の啓発活動を充実し,受診率の向上を図るほか,日常の健康管理や健康増進を推進するため禁煙,高血圧,脂質異常症などの健康教育の充実を図るため健康教室を開催いたします。また,がん検診について,早期発見・早期治療を心がけるよう町民意識の啓発に努め,受診率の向上を目指すほか,予防接種事業として,本年度から定期接種とされる小児用肺炎球菌,Hib(ヒブ),子宮頸がんワクチン接種等すべての予防接種の接種率の向上に努めます。
子育ての分野では,児童館の利用者同士や親子の交流を深めるため,子育て応援フェスタを開催し児童館を拠点とした子育て支援の充実を図ります。
福祉の分野では,障害者の地域における自立した生活を支援するため,相談支援等の障害福祉サービスの充実を図ります。

第3点目 「人と文化を育む」-教育・文化-

学校教育の分野では,引き続き,小中学校のティームティーチング及び習熟度別授業実施のため教育活動指導員を配置いたします。また,英語教育充実のための小中学校への英語指導員派遣委託事業の実施などを引き続き行うほか,教育課程や学習指導などの専門的指導を行う指導主事の設置も継続して行います。
生涯教育の分野では,生涯学習における拠点施設である中央公民館のバリアフリー化を推進し,利用者の利便性の向上を図ります。
社会体育の分野では,社会体育における拠点施設であるB&G海洋センターの老朽化に伴う,改修工事を実施します。

第4点目 「ゆとりとうるおいを育む」-都市基盤・生活基盤-

都市基盤の分野では,重点プロジェクト「交流・発信プロジェクト」の,圏央道インターチェンジ周辺地域整備事業として,用途地域の変更などの都市計画決定及び土地区画整理事業の認可に向けた手続きを進めてまいりますとともに,事業主体となる組合への助成や企業誘致活動用のパンフレットの作成を行います。
生活基盤の分野では,重点プロジェクト「暮らしの安心・安全プロジェクト」の,地域公共交通システム構築事業として,五霞町に合った公共交通システムを構築するため,地域公共交通会議において地域の交通体系をまとめ,新規にバスの実証運行を行います。
水道事業の分野では,経済面,効率面の観点から,水道施設の一元化のため,川妻浄水場に埼玉県水を受水し,現在の2系統の給水区域を一つにして町内全域に配水します。
また,公共下水道事業では,耐震診断の結果を受け,環境浄化センターの耐震工事のための実施設計を行うほか,農業集落排水事業では,効率的な維持管理を行なうため,引き続き,農業集落排水台帳の整備を行います。

第5点目 「豊かさと活力を育む」-産業-

産業の分野では,重点プロジェクト「交流・発信プロジェクト」の,「道の駅ごか」振興事業として,道の駅ごかにおいて,リニューアル工事にあわせファーストフードコーナーの整備を新たに行い,利用者の利便性の向上や運営の効率化を図り,地域産業の活性化に努めます。また,担い手育成支援事業として,策定に向けて作業を進めております,人・農地プランに基づき,就農時年齢が45歳未満の独立,自営就農者への支援として,新規就農・経営継承総合支援事業や,農地を提供する農業者に対し,農地集積交付金を交付する農地集積推進事業や,農業後継者の育成確保のため,必要な知識や生産技術を習得するための研修会を開催し,後継者の育成を図ります。また,引き続き,農業再生協議会を中心に,生産調整に関する業務の円滑な推進を図ります。

第6点目 「ともにまちを育む」-まち・地域づくり・行財政運営-

まち・地域づくりの分野では,「ふれあい祭り」を中心に,住民と行政との協働のまちづくりを積極的に推進してまいりますほか,昨年度決定した,町のイメージキャラクター「ごかりん」を前面に,町外へのイメージアップ活動を展開し,町の活性化に努めます。
また,老朽化したふれあいセンターについて,空調設備,トイレ,壁,天井等の大規模改修工事を実施し,利用者の利便性を図ります。
さらに,地域コミュニティ活動の充実と各行政区が自主的・主体的な活動のできる組織づくりを進めるため,調査・研究に努めます。
行財政運営の分野では,行政運営の健全化や行政サービスのさらなる向上を図るため,第2次行政改革運営プラン実施計画(後期分)を策定いたします。

以上,平成25年度当初予算案など,議案の大要と町政に対する所信の一端を申し上げましたが,これら諸施策の執行にあたりましては,一層の自覚と研鑚を積むとともに,私自身が先頭に立ち,町民の皆様と一緒になって進めてまいります。
東日本大震災から約2年の月日が流れました。人々の記憶が徐々に薄れ,風化してきているような報道もなされつつあります。しかし,私は,あの時国民誰もが感じた「思い」を決して忘れず,あの時を原点として,「わがふるさと五霞」の輝かしい未来に向けて,全力を傾注していく所存であります。
今後も,まちづくりのキーワード「絆」を旗印に,町の将来像「人がきらめきだれもが安心・安全に暮らせるまち 五霞」の実現に向け,精一杯頑張ってまいりますので,町民の皆様の,より一層のご支援,ご協力を賜りますようお願い申し上げ,平成25年度に臨む施政方針とさせていただきます。

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  • 2020年4月1日
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