施政方針(平成23年度)

新年度に臨む私の所信及び町政運営に関する基本方針を申し述べさせていただき,町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

我が国の経済は,2008年9月のリーマンショックに端を発した世界的な 金融危機以降,本格的な回復の軌道に乗っておらず,昨年の欧州ギリシャの財政危機を要因とした急激な円高と株安はようやく落ち着きを見せましたが,いまだ慢性的なデフレが続いております。また,依然として失業率は高水準にあるなど,国民生活に密接に関連する雇用情勢も厳しく,円高,世界経済の動向等,下押し要因もあることから,景気回復への不透明感はますます増しております。
また,国政におきましては経済対策と並んで地域主権改革を最重要課題の一つとして位置づけ,昨年6月に政府がまとめた「地域主権戦略大綱」においては,地方公共団体の事務事業についての義務付け,枠付けの見直し,市町村への権限移譲,ひも付き補助金の一括交付金化,地方税財源の充実確保などを盛り込み,すでに国と地方の協議の場の設置などの一部は地域主権関連3法案として国会に提出されましたが,いまだ成立の見通しが立っておりません。そして,何よりも少子・高齢化,生産年齢人口の減少が進む中で,持続可能な社会保障整備とその財源確保の対応が遅れているため,国民の社会への閉塞感,将来への不安感はますます高まっております。

こうした中,国の平成23年度政府予算案を見ますと,「新成長戦略」及び「財政運営戦略」により示された経済・財政政策の基本的な方針に基づき,新政権がゼロから取り組む最初の予算案となり,予算規模を示す一般会計総額は,前年度当初と比較して0.1%増の92兆4,116億円となり,3年連続で最大規模を更新し,政策的経費を表す一般歳出総額は,54兆780億円と過去最大に膨らんでおります。また,社会保障関係費は5.3%増の28兆7,079億円と過去最大規模となるなか,税収40兆9,270億円に対し,新規国債の発行額は過去最高の44兆2,980億円となり,国債発行額が税収を上回る状態が続いております。
また,県の予算案に眼を向けますと,県民一人ひとりが,質の高い生活環境のもとで,安全,安心,快適に暮らすことができる「生活大県」を目指し,施策の選択と集中を進め,重要施策に積極的に取り組むこととし,前年度当初と比較して3.3%減の1兆401億1,100万円となり,生活大県の推進として,「住みよいいばらきづくり」「人が輝くいばらきづくり」「活力あるいばらきづくり」の3つのポイントを持って重要施策に取り組むほか,公共事業など投資的経費の確保や正規雇用化推進する研修・雇用一体型事業などの経済・雇用対策についても,引き続き重点的に取り組む予算編成となっております。

厳しい経済情勢の下,平成23年度の地方財政の見通しとしては,企業収益の回復等により,地方税収入や地方交付税の原資となる国税収入が増加する一方,社会保障関係経費の自然増や,公債費が高い水準で推移することなどにより,依然として大幅な財源不足が生じるものと見込まれております。
このため,安定的な財政運営に必要な地方税や地方交付税などの一般財源の総額は,前年度を下回らないことを基本として確保されたところであります。

本町の財政状況は,町税や地方交付税等の一般財源が依然として横ばいで推移している状況下で,行財政改革の着実な実行による歳出削減や財源確保を行い,基金の取崩しを最小限に抑えてきたところでありますが,社会保障関係費の増大,特別会計への繰出金の増加など,多くの財源を必要とする課題が,今なお山積しており,この厳しい状況が続いていくことを前提とした行財政運営を行っていく必要があります。

平成23年度の予算編成は,第5次五霞町総合計画の将来像「人がきらめき だれもが安心・安全に 暮らせるまち 五霞」の着実な実現に向け,将来に向けた重点プロジェクトを力強く実行するとともに,町民の皆様の思いに応えるため,限られた財源を最大限有効に活用し,各施策の実現に努め,まちづくりの礎を築く年度であることを基本といたしました。

このような基本方針をもとに編成いたしました新年度予算は,一般会計が36億7,000万円と昨年の予算35億9,000万円に比べ, 8,000万円の増額予算となり,2.2%の増となりました。また,特別会計におきましては,5つの特別会計をあわせて22億8,939万3千円となりました。
一般会計と特別会計をあわせた予算の総額は,59億5,939万3千円と,昨年の予算59億3,139万2千円に比べ,2,800万1千円,0.5%の増額となっております。水道事業会計予算につきましては,損益勘定では,収入が4億5,931万7千円,支出が4億5,827万4千円,資本勘定では,収入が1,420万円,支出が2億5,506万6千円となっております。

以上のように編成させていただきました当初予算でありますが,限られた財源を最大限有効に活用し,時代背景に即した財政需要に的確に対応するため,第5次五霞町総合計画の将来像「人がきらめきだれもが安心・安全に暮らせるまち 五霞」の実現に向け,次の6つの事項を基本といたしました。

まず,第1点目は「豊かな自然と安全を育む」-環境・防災・防犯-です。

広域的な連携として行っているごみ・し尿処理業務や救急・消防業務につきましては,構成市町との連携と協調を図りながら,更なる住民サービスの向上に向け,引き続き広域行政を推進いたします。
災害対策としては,地震災害をはじめとする各種災害に対応するため,五霞町地域防災計画に基づく危機管理体制の強化を図るため,自主防災組織による避難訓練の実施や災害時要援護者のための避難支援プラン個別計画の策定に努めるなど,防災体制の充実を引き続き推進してまいります。
防犯対策としては,児童生徒の安全確保に努め,関係機関と連携しながら引き続き下校時の防犯パトロールを実施してまいります。
また,地球規模で取り組みが求められている地球温暖化問題につきましては,きわめて身近で憂慮すべき大きな問題であり,ごみ減量化対策として,循環型社会の構築を進めるため新たにごみ収集カレンダーを作成するほか,自然環境保全事業として,NPO,企業,小中学生などとの協働により,ビオトープ型イカダづくりを通じて,水辺環境の再生に引き続き取り組みます。

次に,第2点目は「健やかと安らぎを育む」-健康・子育て・福祉-です。

介護保険事業としては,3年毎の介護保険事業計画の見直しを行ない,今後3年間の介護保険事業への取り組みを策定したします。
また,要支援者への生活課題解決の方法や,その仕組みづくりを定める地域福祉計画を新規に策定いたします。
障害者福祉事業としては,障害者のための施策に関する基本的な事項を定める,障害者計画及び障害者福祉計画を新たに策定いたします。
子育て支援事業としては,新規事業として,保育サービス等の情報を総合的にまとめた子育て支援応援ブックを作成,配布するほか,子育て応援フェスタの開催,公共施設(役場,児童館,保健センター)へのベビーベッドの設置を行ないます。
健康づくりの推進としては,新規に予防接種事業として,小児用肺炎球菌,Hib(ヒブ),子宮頸がん,日本脳炎のワクチン接種について,対象者が無料で接種できるよう費用の助成を実施いたします。

次に,第3点目は「人と文化を育む」-教育・文化-です。

学校教育における学力向上対策としては,学力向上のための指導方法の工夫改善等を行う学校活性化支援事業を引き続き実施するほか,小中学校のティームティーチング及び習熟度別授業実施のため教育活動指導員を配置いたします。
また,英語教育充実のための小中学校への英語指導員派遣委託事業の実施,中学校の選択教科の充実のため専門家を講師と迎える選択コース指導員の配置などを引き続き行うほか,教育課程や学習指導などの専門的指導を行う指導主事の設置も継続して行います。
学習教材整備事業として,新学習指導要領施行後の,小学校教科書の全面改訂に伴う,教科書,指導書,教材備品等の整備を新たに行ないます。
町史編さん調査事業として,五霞町史「五霞の生活史-資料編2-」を刊行させていただきます。
社会体育事業として,今年度開催される,B&G水泳大会(茨城大会)に向けた施設管理を行なうほか,総合運動公園の整備にかかる設計委託を実施いたします。

次に,第4点目は「ゆとりとうるおいを育む」-都市基盤・生活基盤-です。

重点プロジェクト「交流・発信プロジェクト」の,圏央道インターチェンジ周辺地域整備事業として,圏央道の供用に併せた周辺地域の整備を実施するため,インターチェンジ周辺地区の調査,測量を新規に実施いたします。
公共下水道事業としては,下水道施設の設備機器等を計画的に更新していくための下水道処理施設長寿命化計画を策定いたします。
強化堤防事業に伴い,新たに,上水道の設計委託及び給水管布設工事並びに農業集落排水の設計委託及び管渠布設工事を実施いたします。
水道事業として,小手指地内の水管橋布設替工事及び川妻浄水場の電気機械緊急工事を実施するとともに,新たに水需要計画調査として,南摩ダム建設等に伴う必要な水量算出のための調査を行ないます。
重点プロジェクト「暮らしの安心・安全プロジェクト」の,地域公共交通システム構築事業として,五霞町に合った公共交通システムを構築するため,地域公共交通会議を組織し公共交通計画を策定いたします。

次に,第5点目は「豊かさと活力を育む」-産業-です。

消費者行政事業として,消費生活に関する問題やトラブルなどの相談に対応するため,引き続き消費生活相談窓口を設置いたします。
農業振興としては,農業用水幹線用水路の整備としての地盤沈下対策事業や病害虫防除対策事業としての水稲育苗箱施用薬剤助成金,生産調整推進事業を行うほか,引き続き,農薬や化学肥料の使用を低減し,環境への負荷をかけない営農活動を行うエコ農業茨城推進事業への助成を実施します。
重点プロジェクト「交流・発信プロジェクト」の,「道の駅ごか」振興事業として,変色している屋根の修繕を行い,農業の振興の拠点として,さらなる発展と活性化を図ってまいります。
雇用促進対策としては,ハローワークなど関係機関との連携を積極的に図り,雇用体制の充実を推進します。

最後に,第6点目は「ともにまちを育む」-まち・地域づくり・行財政運営-です。

第2次行政改革運営プランを確実に実行するため,専門部署として行政改革推進室を設置し,行財政改革を更に推進します。
行政区活動支援事業として,新規に,(仮称)行政区のあり方検討委員会を設置し,今後の行政区のあり方について検討いたします。
少子化対策として,就学祝い金を引き続き実施してまいります。
平成23年度は,町制を施行してから15周年を迎えることから,町制15周年を祝し,記念式典や記念講演会など各種事業を実施いたします。
また,住民と行政との協働のまちづくりを積極的に推進した成果であります「ふれあい祭り」についても引き続き実施し,協働のまちづくりを進めてまいります。

以上,町政に対する所信の一端を申し上げましたが,これら諸施策の執行にあたりましては職員ともども全力で取組んでまいります。このように地方自治体を取り巻く状況が大きく転換しようとする今,私は,町長として町民の皆様の先頭に立ち,困難な課題に果敢に挑戦し,将来にわたって持続可能な財政基盤の構築を行い,五霞町の希望ある未来を切り拓いてまいる所存であります。
また,まちづくりのキーワード「絆」を大切に,町の将来像「人がきらめきだれもが安心・安全に暮らせるまち 五霞」の実現に向け,町民の皆様のご支援,ご協力を重ねてお願い申し上げ,平成23年度に臨む施政方針とさせて頂きます。

このページの内容に関するお問い合わせ先

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〒306-0392 五霞町大字小福田1162番地1 役場1階

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  • 2020年4月1日
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