近年、農作物の被害がなかった地域でイノシシの出没が多数報告されております。
こちらでは、イノシシの特性や農作物の被害軽減を図る為、地域における対策について掲載いたします。
イノシシとは
特徴
- もともと昼行性で、人間と同様に太陽の出ている昼間の時間帯を生活にしている動物です。夜見かけることが多いですが、とても臆病なため、人間に姿を見られない夜に行動しています。最近では、人間に慣れ警戒心の減ったイノシシが、昼間でも姿を見せるようになりました。
- 模範学習能力があり、とても賢く、どこに餌や罠があるかなどを覚えており、優れた記憶力を持っています。
身体能力
- 1日の移動距離は1.2km程度です。
- 1mを超える跳躍能力を持っています。
- 最高時速は50kmともいわれ、鼻で70kg近くを持ち上げる力があります。
- 臭いの内容の識別は得意ですが、何キロも先の匂いを嗅ぎつけることはできません。遠くから匂いだけで餌を見つけられないので、一日中地面の匂いを嗅ぎ、土を掘り返したり、石をひっくり返したりして餌を探しています。
- 視力は0.1程度と低く、青色以外の色はあまり認識できません。
繁殖
- 年に一度、春か秋に妊娠し一度の出産で4頭前後の子供を産みます。
- 妊娠期間は約120日程度です。
- 平均寿命は2~3年で、条件次第では10年程度まで生きることが可能です。
食性
- 雑食性で基本的に何でも食べます。
- その中でもデンプン質の高い餌を好んで食べます。
性格
- 非常に神経質で警戒心が強く、臆病なため、物音などで驚いて逃げる時は、視力が悪いこともあり、人や物に突進してくる場合があります。
- 慣れると行動が大胆になります。
生息地
- 常緑広葉樹林や落葉広葉樹林、水田放棄地、竹林、ヤブの中など身を隠せる場所を好みます。
- 近年では、市街地でも見かけられるようになっています。
地域でできる対策
定着させない
- 本来は森林やヤブの中で生息する動物です。
- 森林やヤブに沿って移動し生息地を拡大します。
- ヤブや使われていない畑の草を刈り払っておくとイノシシの移動を制限することができます。
廃棄作物(残渣)の適正管理
- イノシシにとって農作物はただの餌に見えてしまいます。
- 農作物の残りかすを放置するとイノシシがその地域に住み着くことがあります。
電気柵の設置
- 畑の周りを電気柵のような柵で囲うことで農作物を守り定着を予防することができます。
イノシシに出会ったら
慌てず対処する
- イノシシにあった場合、慌てないでください。
- イノシシの逃げ道を塞ぐ形になって攻撃されることが多いため、道路の端に寄って、道を開けてください。
※猟などで手負いになったイノシシは、パニックを起こしたりしていて行動を予測するのが難しくなります。