子どもの権利
おとなたちの間には、子どもに「権利」を教えることは「わがままを助長する」「自己中心になる」などという意見が根強くあります。
けれどもそれは、権利・人権が、人間として価値や尊厳を持って生きていく上で不可欠なものであるということ、あるいは自分の権利を自覚することが他人の権利を尊重することにもつながるということなどを見落としているからではないでしょうか。
なによりも、子どもたちが自分たちの「権利」に気づく機会をつくることが重要であり、自分の意見や行動が「わがまま」なのか、「権利の主張・行使」なのかを見極めて判断する力こそが、子どもたちに、そしておとなたちに必要です。
子どもにかかわる問題を解決していくためには、子どもの「ありのまま」を認めることと子ども自身の意見表明・参加を得ることがとくに重要になっています。
子どもたちはなによりもまず、それぞれが一人の人間であること、一人ひとりの違いが大切にされ個性が尊重されることを望んでいます。そして、安心して生活できること、ゆっくり自分をつくっていくことを求めています。
そのためには、子どものSOSを受け止めるおとな、子どもの気づきを「待つ」ことのできるおとな、成長・発達を支援するおとなが必要です。
「昔は……だった」「いまどきの子どもは……」と嘆いたり、子どもに責任を一方的に押しつけたりせずに、子どもの「力」を信頼し、子どもの権利条約という国際基準がつくられた意味を考えながら、いまの子どもと向き合ってみませんか。
子どものいじめ
最近の子どものいじめは、その態様が多種であり、情報通信機器の介在により、いじめが一層見えにくくなっている実態も見られます。
また、いじめはささいな行為から危険を伴う行為へとつながることも少なくないことから、人権の観点からも重視すべき課題となっています。
いじめをする子どもやいじめを見てみぬふりをする子どもが生じる原因や背景には、子どもを取り巻く学校、家庭、社会環境や核家族化等が複雑に絡み合った問題がありますが、その根底には、他人に対する思いやりやいたわりといった人権尊重意識の希薄さがあると思われます。
この問題を解決するためには、お互いの異なる点を個性として尊重するなどの人権意識を養っていくことが重要です。
関連リンク
子どもの権利条約(ユニセフHP)(新しいウインドウで開きます)