令和7年ハクレンのジャンプ観測日記
7月12日(土曜日)ハクレンジャンプのシーズンが終わりました
この日は朝早くから一斉産卵に入ってしまいました。
これにより、ハクレンは霞ヶ浦などに帰り、今年のハクレンジャンプのシーズンが終わりとなりました。
8時時点での一斉産卵の状況は下のとおりです。
- 産卵を示す浮花が少なめで川面一面に広がっていない状況でした。採取できた卵の量は30秒で片手一握り程度であったなどから、規模は中規模と思われます(写真01)
- 観察場所に於ける仮死状態で流れるメスの数が極めて少ないことや、渡良瀬川と利根川の合流地点から旧国道4号線までの間に浮花が咲いていないことから、一斉産卵の開始始点は旧国道4号線以降の下流と思われます。
- 夜明け時点から一斉産卵が開始されたと思われますが、8時頃には産卵の終盤を迎え12時頃には終わってしまいました。
(写真・動画提供:小林一郎氏)

ハクレンの卵(写真01)

産卵の様子
7月11日(金曜日)朝からハクレンが騒めく
先日からの大気不安定による豪雨の影響で利根川が増水し、下の踊り場も完全に水没、今シーズン最大の水位になり濁りやゴミも多く流れていました。
朝からハクレンが騒めいていて、右岸の観察地点を中心に権現堂取水口、下流のテトラポット付近などで小規模の集団ジャンプを頻繁に観察することができました。
- 6時01分頃、右岸上流の木杭あたりでジャンプが発生、観察地点を経由し
権現堂取水口、下流のテトラポット方面に移動、中規模の集団ジャンプに成長
(動画01) - 6時41分頃、右岸下流のテトラポット付近で小規模の集団ジャンプか発生
(動画02) - 13時43分頃、右岸下流のテトラポット付近で小規模の集団ジャンプが発生
(動画03)
(動画提供:小林一郎氏)
6時01分頃、右岸上流の木杭あたりでジャンプが発生(動画01)
6時41分頃、右岸下流のテトラポット付近(動画02)
13時43分頃、右岸下流のテトラポット付近(動画03)
6月26日(木曜日)中規模の集団ジャンプが頻繁に発生 見事な「ハクレン利根の舞」
台風が転じた熱帯低気圧の影響で利根川が増水し下の踊り場も完全に水没し今シーズン一番の水位になり、濁りやゴミも多く流れハクレンにとって絶好の状態になりました。朝からハクレンの動きが活発で時々単独ジャンプを発生するようになっておりました。そんな中、久喜市市長の現地視察が終わりお帰りになった午後に入り、下記のような中規模の集団ジャンプが頻繁に発生するようになりました。
右岸の観察地点を中心に目の前で見事な「ハクレン利根の舞」を観察することができました。
- 13時10分頃、右岸の木杭のあたりで集団ジャンプが発生、観察地点を経由し権現堂取水口方面に移動、中規模の集団ジャンプに成長、動画で撮れなかったのが残念(静止画01、02)
- 13時43分頃、権現堂取水口付近で中規模の集団ジャンプか発生(動画04)
- 14時04分頃、右岸のテトラポット付近で集団ジャンプが発生(動画05)
- 14時20分頃、権現堂取水口付近で中規模の集団ジャンプか発生(動画07)
(写真・動画提供:小林一郎氏)

13時10分頃、集団ジャンプが発生(静止画01)

13時10分頃、集団ジャンプが発生(静止画02)
13時43分頃、権現堂取水口付近で中規模の集団ジャンプか発生(動画04)
14時04分頃、右岸のテトラポット付近で集団ジャンプが発生(動画05)
14時20分頃、権現堂取水口付近で中規模の集団ジャンプか発生(動画07)
6月16日(月曜日)多くの集団ジャンプが発生
前日の雨で増水し、下の踊り場も水没スレスレまでになり水温も上昇し、ハクレンのモジリも活発になっていました。
シーズンのはじめにもかかわらず、下記の時間帯に集団ジャンプが発生し一日中緊張に包まれ、大いに楽しむことができました。
- 7時25分頃、利根川大橋付近の左岸で大規模な集団ジャンプが発生(動画01)
- 8時20分頃、左岸の観察地点前で中程度の集団ジャンプが発生(動画02)
- 13時00分頃、権現堂取水口付近で中程度の集団ジャンプが発生(静止画01-01)
- 14時40分頃、利根川大橋付近の左岸で大規模な集団ジャンプが発生
なお、この場所でこのような大規模の集団ジャンプが一日に2度発生したのは極めて珍しいことでした。 - 14時45分頃、権現堂取水口付近で中程度の集団ジャンプが発生(静止画02-01)
(写真・動画提供:小林一郎氏)

13時頃権現堂取水口付近で中程度の集団ジャンプ
(静止画01-01)

14時45分頃権現堂取水口付近で中程度の集団ジャンプ
(静止画02-01)
7時25分頃、利根川大橋付近の左岸で大規模な集団ジャンプ発生(動画01)
6月12日(木曜日)利根川の2カ所でハクレンジャンプが発生

【7時30分頃 】
前日の雨で増水し、テトラポットは全部水没し、水温は18度、朝早くからモジリが多く見られました。
7時30分頃、利根川大橋付近の左岸でかなり大きな集団ジャンプが発生しました。
これは6月4日に発生した同じ場所で遠方であるため、全貌を捕らえたものになりました。
【8時15分頃】
続いて8時15分頃、すぐ脇の権現堂取水口付近で30匹程度の集団ジャンプが発生しました。あまりにも手の届く場所でしたので、少しまとまりがない撮影になってしまいました。
※ 動画については7時30分頃の動画となっています。
6月4日(水曜日)ハクレン・ジャンプの季節がやってまいりました
今シーズンは5月21日に30匹程度の集団ジャンプを確認しておりましたが、6月4日に今シーズンの初めにして最大級の大規模集団ジャンプの発生がありました。
利根川大橋付近の左岸で100匹程度が1分30秒以上に渡って乱舞しました。
遠方で気づかずに途中からの撮影になってしまいましたが、その迫力にビックリしました。
水位はテトラポットが全没する程度でこの時期としては普通、水温もやっと適温に達してきたという状況でした。
(写真・動画提供:小林一郎氏)


ハクレンとは・・・
ハクレンは、中国大陸原産のコイ科の魚で、体長1メートルを超える大きな魚です。
仲間のコクレンとともに「レンギョ」と称され、日本では利根川、霞ヶ浦水系に多く見られます。
観測できるのは・・・
1年のうちたった1日か、せいぜい数日と言われています。毎年6月から7月にかけて利根川の下流から産卵水域に集合!!数十匹単位の大ジャンプが、1日数回から多いときは数十回見られることもあるそうです。期日も不定で年によっては1カ月以上前後するため、簡単に見ることができません。
川妻付近がハクレンの自然産卵場所になっており、毎年6月から7月にかけて利根川の下流から産卵水域に集まって待機します。かなりの数のハクレンが一個所に集まるため、ダイナミックなハクレンのジャンプが見られます。
※現在、国土交通省による堤防強化工事が実施中のため、観測の際にはご注意していただけますようお願いいたします。